アイ・シイ・エスのコーティング (DLC (Hi-Coatδ))
ギアへのコーティングの特許取得 (特許第5623709号)
アイ・シイ・エスでは、今後も確かな技術力でお客様の要求に迅速に対応します。詳細は特許情報をご覧ください
アイ・シイ・エスは用途に合わせたDLCを提供しています。 ワーク最大長1500mm
DLC(Diamond Like Carbon)は1971年AisenbergとChabotがイオンビームを使って合成したのが始まりです。
現在では、DLCの多彩な特性に注目が集まり、その多岐にわたる成膜法とあいまって、応用分野は拡大の一途をたどっています。
アイ・シイ・エスは、PVDとPACVDとを組みあわせてDLCを成膜しています。
低摩擦・耐摩耗・高耐食・低凝着などの特長を生かして、自動車部品をはじめ、機械部品・切削工具・金型部品などに適用して好評を得ています。
また、用途に応じたDLCのカスタムメイドにも対応しております。
ご不明な点がございましたら栃木工場までお問い合わせください。
DLC (Diamond Like Carbon)はPVDおよびPACVDの技術を使って成膜されます。
用途








特徴
アイ・シイ・エスのDLCの特徴
- 大型炉による量産対応が可能
- 用途に応じた最適膜を提供
- レース向けなどの高負荷環境下でも高耐久性を維持
- 各種測定装置を用意、実用特性確認
- JISQ9100による品質保証体制
一般的なDLCの特徴
- 摩擦係数が小さい
- アブレシブ摩耗に強い
- フレッチング摩耗に強い
- ピッチングに強い
- 焼き付きにくい
- 腐食、特に石油系燃料の腐食に強い
- 基材に対して密着力に優れる
- 非鉄金属に対して耐凝着性良好
- 樹脂に対して耐凝着性良好
利点
- エンジンやポンプ、コンプレッサーの効率を改善できる
- 装置の消費エネルギーを低減できる
- 耐久性向上により、部品材料を廉価材に変更可能
- 摩擦を減らし、潤滑不足を補う
- 膜厚の精度がよい
- 発塵を抑えてクリーンな表面を保てる
- 切削時構成刃先の生成を抑制できる
- 樹脂によっては離型性に優れる
性質
アイ・シイ・エスのDLCの性質の例
商品名 | 色 | 硬さ [GPa]※ |
成膜温度 [℃] |
標準膜厚 [µm] |
摩擦係数 | 特長、用途 |
---|---|---|---|---|---|---|
Hi-Coat δ | 黒輝 | 2535 | ≤ 250 | 23 | 0.030.1 |
|
Hi-Coat δ+ | 黒輝 | 2535 | ≤ 300 | 34 |
|
|
Hi-Coat Ζ | 黒 | 3050 | ≤ 300 | 12 |
|
|
Hi-Coat Σ-t | 虹 | 5070 | ≤ 300 | 0.51.5 |
|
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Hi-Coat Σ-s | 黒 | 3049 | ≤ 300 |
データ
オイル塗布ボールオンディスク焼付き試験
-
試験条件
- 摺動速度 : 200 [mm/sec]
- 5W-30オイル塗布 (セミウエット)
- 暫増荷重 : 98 [N]/30 [sec]ステップ
- Ball : SUJ-2 Φ8 (HRC62)
- Disk : SKD11 (HRC60) Disk側に成膜
- µ (動摩擦係数) が上昇した荷重を、焼付きとする
DLCの動摩擦係数
-
測定条件
- 無潤滑
- 摺動速度 : 0.2 [m/sec]
- 荷重 : 10 [N]
DLCラマンスペクトル
\[{\rm Hi-Coat\delta}\]
:
\[\frac{I_{D}}{I_{G}}=0.61\]
\[{\rm Hi-Coat\delta+}\]
:
\[\frac{I_{D}}{I_{G}}=0.64\]
\[{\rm GSI}\]
:
\[\frac{I_{D}}{I_{G}}=0.43\]